パウロの森くらぶ・森林環境教育
恩方第一小学校2年生出前授業
~葉っぱをあつめて工作しよう~
2019年9月20日(金)
朝の曇空が薄れて気温は上がり、出前授業が始まる頃には暑く感じる日和となった。開会式を行う広場で準備がおわった頃、坂の下から可愛い賑やかな声がだんだん大きくなってきた。すぐに講師と児童達との間で「おはよう、お早う」の挨拶が飛び交い、まもなく全員が聖堂横の芝生の広場に集まった。昨年も1年生で参加していたので1年ぶりの再会交流となった講師もいた。開会式まで余裕がありその間トイレを済ませたり草の間を飛び回っているコオロギなどを捕まえたりしてその時間を待った。頭の上にはたくさんの赤とんぼが飛び交い、秋に入ったのを感じさせられた。
式では主幹事から「豊かな森を歩いて自然を楽しみましょう」との話がありその後安全の注意と「オリンピック」体操を行った。児童の知っている競技を出してもらい、動きを真似てぴょんぴょん跳ねてトランポリン、腕を交互に大きく回して水泳、ボールを投げて打つ格好で野球・・と数種類の競技を元気に楽しく行った。全てをやりきったので全員にご褒美として金メダルを授与した(つもり)。その後ヘルメットと服装をきちんと整え、葉っぱを入れるレジ袋を手にして班ごとに森に続く林道に入った。
道の脇には日頃児童達が見慣れていない植物やキノコがたくさんあった。触るとかぶれたりトゲが刺さったりして危険なものは講師が早めに見つけ注意を促し安全を確認しながら通行した。葉っぱはいろんな形をして興味を駆り立てられる。講師の説明を聞きながら一つ一つ集めたのにいつの間にか袋にたくさん集まった。臭いのする葉も観察した。同じ匂いでも「臭い」「クリームみたいでいい香りがする」など感じ方が異なる。これは「こんな匂いがするよ」と初めから教えるのではなく、子供の感性に従って素直に表現してもらうのが良いと感じた。今日は葉っぱ集めだったがもう一つの児童の興味は虫たちだ。地面や葉の上で動いている虫を見つけるのがすごく早い。危険でない虫を捕らえ手に取って真剣に観察していた。尺取虫には特に興味を持ち、手の上で縮めたり伸ばしたりして進むその動きに目を凝らしていた。途中スズメバチがいるクヌギの近くを通ることになった。あらかじめ”静かにそっと通ればハチは襲ってこない”と話し全員無事に通過した。土塊小石混じりの急な坂をすべらないようおっかなびっくりで登ったり降りたりして葉っぱ集めも終り、パウロの森の(第二)広場集合した。ここは昨年1年生の時にウワミズザクラとイヌサクラを植えた所だ。一年前は小さかったが大きく育っているのを確認し、全員で記念の”ハイチーズで午前の部は終了した。
広場に敷いた大きなブルー・シートに座って昼食だ。お母さんが朝早く起き心を込めて作ったお弁当を森の広場で食べるのは特別に美味しい。キャラ弁やおかずの綺麗な盛り付けがあったり、ワイワイ・ガヤガヤと楽しいひと時となった。
午後は集めた葉っぱを画用紙に切り貼りつけてイメージを作品(葉っぱのコラージュ)にする作業だ。適当に紙の上に葉っぱを並べてイメージを確定してから貼り付けにかかる、すぐに並べて貼りながらイメージを練り上げて作っていく、または紙一面にまずノリを塗りそこにいろいろな大きさに切り刻んだ葉を落とし考えていたイメージ通りに仕上げていくなど製作過程は様々でハラハラするが見ていて面白い。テーマと作風は自由で児童の感性と発想に任せる。出来上がった作品も個性的でいろいろだ。怪獣、エーリアン、ドラゴン、お化け屋敷、花火など全てが芸術作品だ。みんなは未来はアーティストになれるよ。最後に班ごとに作品を抱えて記念の”ハイチーズ”、道具を片付けて作品作りは終了した。子供達は森の中で色々な自然の形を発見しゲームとは違う楽しさを学び味わったことと思う。来年またこの森での元気な姿での再会を約し一列に並んでハイタッチで子供達が帰っていくのを見届けた。
【参加者【】恩方第一小2年生38名、2年担当先生2名、校長先生
【FITスタッフ】主幹事:瀧浪邦子、FIT講師6名、FITアシスタント3名
【報告者】家 幸夫
【写真】 槙田幹夫、瀧浪邦子
開会式と安全注意
どんな葉っぱを集めようか
楽しんで葉っぱの工作
オリンピック体操やり投げ
ススキの穂の説明
小さなアーティスト
(※)本事業は、ふるさとのシンボル的な森の再生を目的として、(公社)国土緑化推進機構の「緑の募金」の活用により実施されたものです。この事業で使用した「緑の募金」は、「ファミリーマート夢の掛け橋募金」からの寄付金によるものです。