パウロの森くらぶ・森林環境教育

八王子市恩方第1小学校2年生出前授業

葉っぱをあつめて工作しよう【森のクラフト】

2020918日(金) 


今日は恩方第1小学校2年生の出前授業日。心配した天気も朝から晴れて少し暑いくらい、その後曇りになったが申し分のない授業日和となった。9時ごろ坂の下から子供たちの賑やかな声がだんだん大きくなって来た。今年はコロナの関係で全員マスクをつけているが元気な声には変わりはない。芝生広場に集まって開会式。先生・講師の挨拶と安全注意が終わってからユニークな体操が始まった。蜂に襲われた場合を想定して、体を縮め去ってから思い切り体を伸ばすしぐさ、水泳を真似て腕をブンブン回すなど、体を思い切り動かし心身共にリラックスした。式が終わってからいよいよ森に入る。今日は森でいろいろな葉っぱをたくさん集め、それを使って自由にコラージュ作りをする授業だ。

森への入口に来たら子供たちの好奇心は爆発し森の子供に変身した。これ採っていいこれ何なのと講師の周りに寄り集まって質問攻め、6つの班の通行は少し渋滞気味。それでも班の興味対象の違いから列はスムーズに動くようになった。

講師から触るとかぶれる、逆に気持ちが良い、また独特の匂いのする葉や茎などを教えてもらい手提げのレジ袋にしっかり入れた。まだコースの半分も歩いていないのにたくさん葉っぱを集めてしまった子供もいた。足元に転がっているドングリも拾った。

急な坂を上り切るとそこはパウロ学園全体を見渡せる「見晴らしの丘」。昨年までは木々が視界を遮っていたが今年の初め頃それらを伐採して見晴らしを良くした所だ。パウロ学園の生徒が作った丸太のベンチがあり、風の通り道なので気持ちの良い休憩場所になっている。そこは平らで草がたくさん生えバッタなどの昆虫も多くいるはずだった・・・があまり見つけることができなかった。地上50cm1mぐらいの所で幹がひどく擦られて樹皮がなくなっている木があった。猪がぬた場で体についた泥を落とすためにこすった痕だと言われているが定説はない。実際にその様子は見れないので子供にはよく説明ができない。

急な丘を降り始めたら突然 赤いキノコがある と発見した子供たちが騒ぎ始めた。灌木の下に45本大きな傘を広げていた。傘が赤いのはよく見かけるタマゴダケだが茎(柄)まで赤いのは見たことが無い・・・。帰ってから調べたらベニイグチ(紅猪口)に間違いないとその時の講師が知らせてくれた。ネット情報では食べたら美味しかったと・・逆に中毒を起こし死んだ人がいたとの書き込みがあり食するのは危険な毒キノコだろう。

しばらく平坦な林道を歩いていろんな形の葉を採取した。いつの間にかレジ袋がいっぱい、恐竜の足跡のようなダンコウバイの葉、仮面になるホオノキの大きな葉、細長いササの葉、イヌツゲの小さな葉などを集めた。最後の急坂を登って、後はアラカシ広場を降りるだけ。ここまで来ると子供たちには体力差が現れる。どんどん先に進もうとする子、ハ〜ハ〜と息を切らしながら遅れる子など様々でそれらを一つに纏めて歩く講師は大変だ。

みんな無事に降りてから昨年植樹したメグスリノキの前で記念撮影。まだ背丈ほどの高さだ。そのうちに大きくなり秋には濃い緑から鮮やかな赤に徐々に変化していく葉を見るのが楽しみだ。その時には今の子供たちが覚えていて見に来てくれたら・・と思う。

これで午前の部は終わり、一番楽しみにしていたお弁当の時間だ。お弁当の包みを開けるとお母さんの愛情の詰まった可愛いキャラ弁が現れる。森の中で食べるのでとりわけ美味しい。ほとんどの子が笑顔で完食した。

午後からは集めた葉っぱを画用紙に切り貼りしてのコラージュ作りが始まる。レジ袋から出した葉を並べてジッと考える子、適当に並べ考えてから並べ直す子、なかなか手が動かない子など作品作りの思考と手法は様々だ。しかし時間の経過とともに考えが纏まり確実に仕上げていく。単に葉を並べただけと思っていたが目玉シールを貼ると俄然様子が異なってくる。適当に並べた葉が生き生きとした昆虫や鳥などそして恐竜や目玉をたくさん持った異星人に変わっていく。「夜のパウロの森」をイメージした作品もあった。葉を貼るだけでなくマーカーで星や月を描き幻想的な世界を想像させる作品だ。また紫陽花の萼(がく)の塊をくっ付けて立体的に仕上げた子もいた。最後に班ごとに作品を持って記念撮影。子供たちはみんな芸術家だ。どれもこれも優秀作品。真っ先にお母さんに見せたい記念作品だ。

最後に今日はどうだったとの先生の問いかけに、楽しかった〜の声が森に響き渡り、今日の授業は無事終了した。


参加者: 小学生36名、先生と校長先生3名、スタッフ10

タッフ: 瀧浪(幹事)、内藤、小勝、清水、望月、長岡、稲葉、及川、家、前田

報告者:  幸夫


見晴らしの丘で休憩

森への入口


おいしいお弁当の時間

林道で葉っぱ集め

葉っぱでコラージュ作り

林道で観察



()本事業は、ふるさとのシンボル的な森の再生を目的として、(公社)国土緑化推進機構の「緑の募金」の活用により実施されたものです。この事業で使用した「緑の募金」は、「ファミリーマート夢の掛け橋募金」からの寄付金によるものです。