ボーイスカウト東京連盟からFIT(森林インストラクター東京会)のパウロの森くらぶに委託されたボーイスカウト技能章(森林愛護章)を取得するため、23名のスカウトが聖パウロ学園学校林に参集した。森の広場で東京連盟主催の開講セレモニー。FITから挨拶、スタッフ自己紹介、安全注意、体操を行う。セレモニー後、各班に分かれ講習に入った。
午前中は、東尾根東斜面の植樹とアオキ刈りである。作業服装の点検後、道具を配布。身支度を整え、植樹場所へ移動する。植樹場所の東尾根東斜面は、急な斜面。足元に注意しながら植樹を行う。植樹の作業手順は、植樹場所をきれいにし、その後クワやスコップで穴を掘り、ポット苗を植樹。掘った土をかけ、軽く踏んで土を固める。植樹を指で軽くつまんで引っ張り、抜けなければよい。水をかけ、植樹のまわりに枯れ葉を敷き詰めれば完了。最初は戸惑っていたが、植樹が進むにつれ、作業も協力しながら順調に進んだ。
植樹後は、東尾根東斜面のアオキ刈りの体験を行う。剪定ばさみの使い方もうまく、さまになっていた。森の広場に戻り、道具の手入れ。
午後は、森林火災、森林被害に関する講義。各班に分かれ、森林火災の予防措置と消火方法、火災発見時とるべき措置について学んだ。実際にかまどで燃えている木を森林火災とみたて、消火方法を体験した。森林の被害では、害獣や害虫による被害について講義を受けた。
講義後、パウロの森を周回し、灌木10種、喬木10種のレクチャー。灌木10種、喬木10種の識別と説明、用材10種の用途を学んだ。コース途中では、クヌギにいたクワガタ4個体を幸運にも見ることができた。
森を周回後、森の広場で班別にまとめを行う。講習生はふりかえりシートを記入。閉会式のセレモニーで、講習生全員に技能章講習会修了証が授与された。熱中症が心配されたが、事故もなく予定とおり技能章(森林愛護章)講習会は終了した。
参加者: 23名
FITスタッフ: 6名
報告者: 内藤公雄
国旗が掲げられ、制服姿の若者が集うパウロの森広場は程よい緊張感で包まれています。10時、開講セレモニー開始、国旗儀礼、連盟歌等。
午前中はパウロの森に入り、スタッフからコナラ、クヌギ、ケヤキなどの「喬木10種」とアオキ、クロモジ、ムラサキシキブ等「灌木10種」のそれぞれの木の特徴や用途など、木肌や葉に触れ、実をかじったりしながら説明を受けました。
又 スカウト達からの質問は森の土、水、キノコ、虫の事等、広範囲に及んでいます。広場に戻り、丸太を切って「自分の好きになった木」の樹名板を作り、それぞれの木に括り付けました。
午後からは、火おこし、火消しの体験をして「火が燃えるための3原則」「森林火災の怖さ」についての説明がありました。次年度、森に植樹するための杉などの「実生苗」を腐葉土たっぷりの森の土にくるみ竹ポットに採取しました。又、植樹するための「整地(下草刈り)」体験。剪定ばさみと鋸をもってアオキの密集する暗い森に入りアオキ刈り。最後に使用した「道具の手入れの方法」の説明。2014年の1回目はある程度整地できていた斜面を少し下草を刈って「植樹」したのだけれど、今回はまだまだ木を切らなくては植樹が出来ない場所です。来年は実生のポット苗も十分大きくなって植樹できるでしょうか?
この辺りはボーイスカウトたちの植樹の場になるそうです。
終了後、振り返りとアンケート。アオキ刈りが結構楽しかった事、いろいろな樹木を知った事、好きな木を見つけた事等、楽しそうに話してくれました。閉会式のセレモニー、国旗儀礼、連盟歌等そしてスカウトには技能章の授与、又スタッフにはスカウト達からお礼の「ヤーサカ!」を頂きました。
高尾山で行われていたこの講習会が、パウロの森くらぶに依頼があり、パウロの森に移って3回目となります。ボーイスカウトのリーダーの皆さまもパウロのスタッフもぎこちなさがとれてきたように思えますが、“自然を尊び、自然を愛し、又森林の働き、森林と環境、森林育成など多くを学び、大切な自然を後世に伝えるための技術を習得する”
というとても大切な講習会です。ボーイスカウトのリーダー、パウロのスタッフ、そしてスカウトたちも真剣な1日を過ごしました。
都心は梅雨の晴れ間の蒸し暑さでしたが、パウロの森は樹幹を吹き抜ける風にホット笑顔がほころびる1日でした。
FITスタッフ(講師): 長岡、福重、福原 アシスト: 入江、上野、前田(報告)
参加者: ボーイスカウト25名(内女子3名) リーダー7名
国旗儀礼
好きな木の樹名板
火おこし体験
パウロの森の樹木観察
杉の実生のポット竹苗作り
アオキ刈