パウロの森の四季 2024年
2024年文月(7月) 7月31日掲載
・暑中お見舞い申し上げます。
7月18日に関東甲信地方の梅雨があけ、最高気温が体温を上回る日が続いています。一方、東北の秋田・山形県では『線状降水帯』による豪雨が続き洪水や土砂災害が発生しました。被災された皆様にお見舞い申し上げます。
異常な暑さや激しい雨降りなど気象がますます厳しくなっています。まだまだ暑い日が続きます。熱中症にならないようご自愛ください。
・昨年までは7月に学園の「自然体験学習(PNP)」があり、暑い中で生徒たちが賑やかに色々な体験活動を行いましたが、今年は4月と5月に変更になり、森は静かな夏です。学園の聖堂横ではヤマユリが大輪の花を沢山つけて咲いています。芝生広場の脇では大きな葉っぱのオオバギボウシが花をつけ、マルハナバチが潜り込んで蜜を吸っています。
・森では樹木の実が色々なっています。ハナイカダガ葉っぱの真ん中に実をつけ、昔、灯り用の油を搾ったアブラチャンの実が大きくなりました。エゴノキには丸い実に混じって「エゴノネコアシ」がついています。キジョランに小さな蕾がついています。まもなく花が咲きますが、実がつくのは来年の秋です。アオキの幹に白いカビのようなものがついています。近くで見ると動いています。小さな虫が背中に白い傘をつけています。アオバハゴロモの幼虫でした。
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2024年水無月(6月)
・今年は関東甲信地方の梅雨入りが平年より半月程度遅く6月半ばに暑い日が続きました。梅雨入り後も雨の日が少なく夏の水不足が心配です。適度な雨が降ってほしいものです。
・6月初めのパウロの林床では、ギンリョウソウが顔を出し、サイハイランが風に揺れ、ヤブレガサの花が咲き、ミミガタテンナンショウが緑色の実をつけています。モミジイチゴが橙色に熟し、ウグイスカグラに赤い実がついています。共に食べると甘い味です。ウツギやガクアジサイが満開です。マタタビの葉っぱの一部が白くなり、その下に花をつけています。雄花には沢山の雄蕊があります。虫が入ると虫えいができます。
・グランド横のビオトープではモリアオガエルの卵塊が5つもありました。5cm程の蛙が池の上に張り出した樹木の枝に登って、直径が15cmにもなる卵塊をどんなふうに生むのか観察したいものです。卵が孵化してオタマジャクシが池に落ち、無事に大きくなるのはどの位の数になるでしょうか?
・6月半ばの森では、ムラサキニガナの花が風に揺れ、ガクアジサイの装飾花が色付き、サンショウの実が熟して黒い種をのぞかせています。下旬になるとミミガタテンナンショウの実が赤くなり出しました。
・森の広場西側のコナラの大木が昨年夏、カシノナガキクイムシに侵入され楢枯れ菌によって枯れてしまいました。強度が落ちた大枝が広場に落下するおそれがあるので、6/25臨時作業で伐倒しました。直径が45cmで高さが30m近くあり慎重に時間をかけて伐り倒しました。広場の周りの大木を切ったので日影がほとんどなくなりました。
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2024年卯月(4月)
・新しい年度を迎え、ピカピカの1年生がいっぱいです。今年はソメイヨシノが開花直前の冷え込みの影響で例年より開花が遅れ、花が長持ちしています。学校の入学式がある4月第二週になっても花が残り、新入生を歓迎しています。パウロ学園でも入学式が挙行され、学園入口には春の花の鉢植えが、玄関内には素敵な生け花が飾られ、満開の桜共々新入生を迎えました。
・森の広場の周りでは、たくさんの菫(ナガバノスミレサイシン、アオイスミレ、エイザンスミレなど)が咲き競っています。中旬には遅咲きのツボスミレも咲き出しました。産毛をはやしたヤブレガサが並んでいます。総苞片に耳があるミミガタテンナンショウが顔を出しました。キイチゴ類はモミジイチゴ、ニガイチゴ、カジイチゴ、クサイチゴ、黄色いヘビイチゴも咲いています。ヤマブキが森の中を黄金色に染めています。
オトコヨウゾメやツリバナも花をつけ、サンショウやコクサギも地味な花を咲かせています。
・見晴らしの丘では、ニオイタチツボスミレが咲きだし、ウリカエデが花をつけています。アケビも花をつけ、ツクバネウツギが2つ並んで咲いています。シュンランが咲き残りチゴユリと一緒に咲いています。
・芝生広場ではスミレが咲き、フデリンドウが顔を出しました。広場で見たのは初めてです。孟宗竹の筍があちこちに顔をだしています。4/20の「春の若菜を食す会」で掘って食べました。4年ぶりの開催です。また今年から春開催に変更になった自然体験学習(パウロネイチャープログラム:略してPNP)3年生4/22実施でも、筍を生徒たち(飛び入りで先生も)が掘って、焼いて・天婦羅にして食しました。
・毎年草木染に使うアイを植えているパウロの農園の周りでは、ウワミズザクラの花が満開、地上ではニリンソウが咲き残りイチリンソウと一緒に咲いています。
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2024年弥生3月 2023年3月15日更新
・3月半ばに冬に逆戻りし、東京でソメイヨシノの開花宣言は当初の予報より1週間おくれでした。
3月は別れの季節、3年間自然豊かな森に囲まれた学び舎で勉学に励んだ3年生が新たなステージに飛び立っていきました。コロナ禍で不自由な学園生活でしたが、前途に幸あれと祈ります。
・2月の光の春に続き3月は気温の春、パウロの森は冬の眠りから目覚め始めました。半ば過ぎには雑木林の木々の冬芽が伸び出し、早咲きの草花や樹木の花が咲き出しました。第二広場脇では昨年恩方小1年生が植樹したサンシュユが黄金色の花を咲かせ、第三広場近くではチョウジザクラが、萼筒が長く花弁が平面に開く特徴的な形の花をつけています。
・日当たりの良い見晴らしの丘ではダンコウバイの蕾が弾けて黄色い花を咲かせ、クロモジの冬芽が膨らみだしました。東の尾根道脇ではカンスゲが花をつけ、シュンランの蕾が膨らんでいます。東の谷道では昨春見つけたナツボウズが今年も花をつけています。ツノハシバミが長い雄花を垂らしその付け根に赤い花柱がチョロっと見える雌花が咲いています。今年こそ角をはやした実を見つけたいものです。
・森の広場脇のウグイスカグラがピンク色の花をつけています。ウワミズザクラの花序が伸びて先端の蕾がほんのりピンク色になっています。今月下旬には花を咲かせるでしょう。
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パウロの森での出来事や、森に咲く四季折々の草花を中心に、パウロの森くらぶの会員の皆様が撮った写真などで豊かな森の自然を紹介します。お楽しみください。 担当槙田