地衣類勉強会
【日時】2023年12月13日(水)9時30分~12時
【場所】聖パウロ学園高等学校芝生広場周辺及び遠矢堀公園
【講師】藤田富二氏
実施概要:芝生広場のサクラの木に付いた地衣類を観察、すこし離れた公園での観察とデカノール酸を含有しているかの実験
参加者:パウロの森くらぶのメンバー 14名 飯塚、家、稲葉、入江、小川、小野、熊木、中林、林(報告)、星野、前田、三井、森田、吉田
開会式
藤田さんの説明を聞く
ローソクゴケで染めたローソク
閉会式
朝方まで北風が強く、予報でも風が強いとの事から、観察時の寒さが心配されたが、風も無く穏やかな日和でした。
芝生広場で開会式。藤田講師から地衣類についての解説がありました。地衣類は菌類の仲間であるが必ず藻類と共生している特徴があること。地衣類を構成している菌類と藻類は互いに助け合って生活しており、菌類は藻類に安定した住みかと生活に必要な水分を提供する代わりに、藻類から光合成で合成した栄養をもらっている。地衣類の形態として葉状地衣類、痂状地衣類、樹状地衣類があるなど。1年間に数ミリしか成長しないこと、子器で作られた胞子を飛ばして、発芽した後、親と同じ共生藻を見つけて共生し、新たな個体を作る方法と、栄養繁殖器官で繁殖する2通りがある。
実際の地衣類の観察に入ったが、痂状地衣類のモジゴケは近くにないため標本で観察した。続いて桜の木の表面にある地衣類を観察。葉状地衣類のマツゲゴケは葉状の先に黒いまつ毛のようなものが観察できることからこの名が付いた。少し黄色がかった地衣類はキウメノキゴケ、胞子をとばす粉芽を観察できた。樹状地衣類のササクレマタゴケは樹状に伸びた先が二又・三又に分かれている。葉状地衣類のロウソクゴケは黄色でこれを集めて儀式用の蠟燭を作ったとの事。ヒメジョウゴゴケモドはまさにラッパ状。芝生広場の周辺にこんなに様々な地衣類が存在していることに驚きを感じた。芝生広場を離れ、遠矢堀公園に向かう途中でヘリトリゴケと思われる地衣類やダイダイゴケを観察。公園ではトゲハクテンゴケを観察し、デカノール酸含有の実験を行う。昨夜の雨でうまく発色しなかったが、ウメノキゴケで実験し、上皮層、藻類層を剃刀で取り除き、髄層にハイターを付けると赤く変色した。
最後に公園のベンチに生えている地衣類を観察。コアカミゴケと思しき頭が赤い地衣類を観察できた。2時間半の観察会があっという間に過ぎてしまい、地衣類観察の入り口を堪能することが出来た。