パウロの森 探検ハイキング 2019年11月17日(日)

 黄葉のケヤキのトンネルを抜けバス停から少し道に入れば、北浅川の段差を落ちる圧倒的な水音と清流の歓迎に、子供も大人も心地よく包まれ、農家の奥手にひっそり佇む熊野神社の開会式では、秘密の場所に踏み込んだようで神妙な面持ち。

 

 ハイキングのスタートは栗林左手の畑裏入口。殆ど歩く人の居ない沢沿いの静寂の森、揺れる日差しの中、小鳥たちが囀り、修道院の名残の「十字架の道行き 全14留」が次々と神秘的に現れ、ドキドキ「探検ハイキング」のアプローチには最高だった。

 

 まずは、先行する隊長(幹事)が、その場にあるものを用いて作り残して行く「道しるべ」を辿りながら、暗号を解読し指令のカードを発見、今度はその指令をクリアしながら進む「追跡ハイク」。少し早めに一班が到着、後続も程よい間隔で続いて来てくれた。隊長からの指令ゲット報償には、「おやつを焼く串」の銀紙包み赤リボン掛けを授与。子供達の誇らしげな笑顔を見るのはいいものだ。

 

 ここまで(ゴールは第一広場)がハイキングの前半「追跡探検ハイク」。ここで一旦トイレ休憩と焼芋の準備を済ませる。芋類は新聞紙に包んで濃い塩水に漬けアルミホイル2重包みで熾火に埋め、リンゴはアルミホイル2重包みで上火にかける。 その後、後半の「フリー探検ハイキング」に出発。未だクリア出来ていない指令を、「パウロの森」を知り尽くした班長4名のリードで森の中を歩きながらコンプリートを目指す。 

 

 やがて数々の指令をクリアの達成感に満ち興奮気味の探検隊員の帰還を、煙の中から焼芋、焼リンゴの美味しそうな匂いが出迎えた。アシスト2名が燻製状態になりながら奮闘し美味しく焼き上げた、熱々のサツマイモ、ジャガイモ、里芋、りんごに我慢できず、お弁当を広げる前に次々とかぶりつく面々は、野生を取り戻したようで逞しかった。ちょっと塩やバターを加えると更においしさUP、テーブルの上はたちまち空のアルミホイルだらけとなった。 

 

 森の椎茸やナメコに三葉やセリを浮かべたきのこ汁は、「作り方を教えて」というお母さんあり、何杯もお代わりする子もあれば、きのこが苦手で残す子もあったが、きのこが生えていた様子と共に、それぞれの思い出となったかな。お弁当の後には、先ほど授与した串にマシュマロを刺し、とろけて中までふわっとするまで焼き、クラッカーでサンドする「サモア(somethin’ more)」に、クラッカーと溶けたマシュマロを口の周りに付けて夢中になる子続出。こちらもあっという間に袋が空っぽになり、「よくそんなに食べられるなぁ!」 とスタッフを驚かせた。

 

 お弁当ときのこ汁と熾火の魔力で美味しくなったオヤツでお腹いっぱいになった後は、やりたいことを選べるフリータイム。先ず、興奮して大きな声を出さない約束をしてから、落ち葉溜の中のカブトムシの幼虫をそっと観察。その後「魔女の宅急便」のキキの「ミニほうき」作りには女の子とお母さんお祖母さん方が集まり、丸太切りは男女問わず大人気、また森の散歩に出かけたり、ホッと一休みしたりの隊員も。約一時間後、まだまだやりたい名残惜しい気持ちもある中、最後は右手を上に前に交差したまま手を繋ぐ「友情の輪」を作り「楽しかったこと」「心に残ったこと」等を話して貰った後、シェイクハンドのウェーブを一巡り送ってから、右手を潜りグルリと一回転して「ご機嫌よう、さようなら!」と解散。大久保バス停までは、スタッフ2名がエスコート、お馬さんの前は静かにしつつ、まだまだ楽しい会話が段々と遠のいて秋の佳き日の終了となった。

 

「また たんけん やりたい」

「すごく楽しかったので、また来ます!」

「パウロの森で働きたい」

「他の季節にも探検ハイクしたい!」

等など、嬉しい感想もたくさんいただいた。