パウロの森くらぶ・恩方第一小学校4年生の体験学習報告

       鉛筆作り(雨プログラム)

2017年9月28日  場所:八王子市立恩方第一小学校にて

 八王子防災気象情報によると9月28日の6時から12時までは曇りであり、当日早朝の天気を考え合わせても、屋外プログラム実施の間、雨は降らないと判断できた。しかし、予想より前夜の雨が激しかったので、パウロの森の足元がぬれていること、落枝の可能性を排除できないこと、最高7m/sの風が予想されていたことで屋外プログラムは中止と決断した。恩方小学校側に当方の判断を伝え、最終的に学校側に屋外プログラムは中止、雨プログラム実施を決めていただいた。

  高尾駅発8時12分のバスに乗り、松竹バス停で下車、学校には8時半に到着した。雨プログラムの開始は9時40分なので、それまで、まずは「eco鉛筆作り」の復習。不慣れな班長を中心に練習していただいた。子供52名に対して、各4本は作れるようにと準備した鉛筆の材料を6班分に分け、各班長が先にドリルで芯を入れる穴をあける作業を行った。木工ボンド、鉛筆の芯なども配分した。

  9時40分にスタッフが1組と2組に分かれて開校式の実施。1組は槙田間伐隊長、2組は林間伐隊長が「森の役割」を20分間説明した。槙田隊長は慣れた口調でプロジェクターと黒板を駆使して説明。林隊長は、この日のために「森の水の浄化機能」、「森の土の保水機能」について説明する模型を持ちこんで説明した。どちらも子供たちは十分納得していたようだった。

  いよいよ10時から、6班に分かれて鉛筆作りを開始した。各組とも机を班ごとに集めて、その上に新聞紙を4つ折りにしたもので被った。以前は新聞紙を広げてガムテープで固定していたがその必要はないようだ。切り出しナイフを配って、班長がナイフの使い方を指導した。今回は、軍手を使わせた班と使わせなかった班があるが、プログラム終了後のスタッフ振返りでは、軍手は使わない方が安全であるとの結論になった。左利きが予想より多く、準備できなかったのは反省点だった。

  いよいよ班長が鉛筆の材を子供たちに選ばせて、鉛筆を削らせた。保存期間が長くて硬めの材もあったのだが、刃を食い込ませるということができないようだった。刃を逆に向ける子供もいた。最初から最後まで太めの鉛筆材を削る作業に集中した子供もいたが、出来は別としてどうにか荒削りを終えて、鉛筆の芯を挿入するところまで到達した。木工ボンドをぬった芯を材に入れて、しばらく待つ。そしてさらに仕上げの削りを行って完成だ。

  10時25分から休み時間なのだが、先生も子供も誰ひとり休むといわない。子供たちは次々と兄弟の分、両親の分と3本目、4本目の鉛筆を喜々として作っていた。赤い芯を入れたり、青い芯を入れたり、二又、三つ又の鉛筆を作って楽しんでいた。その内、教室の前に置いておいた、鉛筆の材料を自分で選んでドリル担当のスタッフに頼んで穴を開けてもらうようになった。自由にやらせておくと、材の側面を削って自分の名前を書くのもめいめい自由にやりだした。

  11時を過ぎると各班長が「集中力が落ちてきたね」というので、11時20分に終了とした。11時30分まで掃除、片づけ、閉校式を行ってプログラムの終了とした。スタッフは会議室に戻り片づけ、昼食。それから振返りを行って、恩方第一小学校を後にした。校長先生と副校長先生が見送って下さった。

  恩方第一小学校の森林環境プログラムが始まって4年目になるのだが、雨プログラムの実施は9月22日に続いて連続2回目だった。屋外のプログラムと全く異なる室内プログラムは始めてだったが、鉛筆作りが子供たちに好評で安心した。パウロ学園の高校生も同様なのだが、手を駆使する室内プログラムは子供たちには楽しく、役に立つと感じている。現在の世の中ではナイフを使うことなどほとんどないので、貴重な経験だと思う。八王子の天気予報の判断に詳しくなったのは望外のことだった。

 参加者: 八王子市立恩方第一小学校4年生52名・教師2名
 FITスタッフ: 主幹事(稲葉)、班長(福重、原田、水木、清水、望月、小勝)、間伐隊(槙田、林、内藤、猪瀬)、オブザーバー(森田)
 報告: 稲葉力

 

 

1組の森の授業

1組の鉛筆作り

2組の森の授業

2組の鉛筆作り