バードコールを作って森を歩こう 2021年7月11日(日)

 緊急事態宣言の発令が12日からと決まった中、11日のこのイベントは実施することになった。参加者は14名。4家族は駅からバスで移動、2家族は自家用車で直接森へ向かってもらう。

 

10時にバードコールづくりを開始。

4つテーブルを4班に分け、直径15ミリ程の乾燥木の長木を親子が棒を抑え、協力しながら、用意した小さなノコギリを使って、5センチほどの長さに家族分切っていく。子どもたちも最初は、ノコギリが溝から外れたり、途中引っ掛かって止まったりしていたが、慣れ始めると、スース―と切り出した。切り口の周りをサンドペーパーでやすり掛けし、電動キリでスタッフから6ミリの穴を開けてもらい、用意したアイボルトを自分で穴にねじ込んでいく。

ねじ込んでいく作業は最初の内は苦労するが、根気よく続けていると、どこかの場所で、キュル、キュルと可愛らしい音が鳴り始める。そこを繰り返し、ねじ込みと戻しを続けるとピチュ・ピチュと安定した音が鳴り続ければひとまず完成。あちこちのテーブルからピチュ・ピチュと鳴り響き始めた。

 

最後に、バードコールの絵付け作業。スタッフが各テーブルに用意した、見本の可愛い鳥たちのイラスト絵の描き方のコツや注意点を説明し、みんなそれぞれ絵を見て、ポスカを使って思い思いの小鳥たちを描いていった。各自に江戸打ちひもを配り、それぞれアイボルトの穴に通し、結んで完成。子どもたちは手作りのバードコールを首にかけて、意気揚々と野鳥と自然観察会のフィールドに各班ごとに出発。

 

原木シイタケづくりの話、針葉樹スギ・ヒノキの香りや年輪の話、サンショウの葉の香りの体感、ハナイカダ、途中ザトウムシの姿を見て子供たちは喜んだ。途中、子供たちがバードコールをピチュ・ピチュと鳴らすとシジュウカラが反応を示すかのように近くに現れ始めた。約1時間ほど森を散策すると、丁度お昼時になり、30分程の昼食タイム。

 

 

午後から、セミ(カエル)コールづくり。竹筒の丸い紙面の真ん中に穴を開け、爪楊枝の頭を1センチ位を切ったものに、その真ん中あたりにタコ糸を結ぶ。紙の張った竹筒の穴の内側からタコ糸を通し、用意した竹ひごの先に結び付ける。(竹ひごの先には糸巻き状に盛った松脂(マツヤニ)が付いていて、真ん中の窪んだ所にタコ糸が動き回るようにして巻き付ける)

 

右手で竹筒を持って、タコ糸でつながった竹ひごを左手の親指と人差し指でクルクル回すと不思議にガマカエルのような鳴き声が発生する。また右手で竹ひごを大きくグルグル回転させると、今度はジージー、シャーシャーとクマゼミのような鳴き声が発生する。作りは単純だけど、なんとも不思議な装置である。タコ糸と松脂が動きで擦れて竹筒の紙を振動させ、個性ある音を発生させる。

 

おとなも子どももみんな面白がり、夢中になってグルグル回す。いろいろな音が醸し出された。同じ装置を作っても、それぞれ微妙に音が違う。中には頑張りすぎて、糸がはずれて飛ばす人もいる。そうこうしているうちに、今度はゴロゴロと雷の音が鳴り響いてきた。急いで片づけはじめ、アンケートを記入してもらう。閉会式もそこそこにして、雨が激しさを増さない間に、予定のバスより1便早い、13時43分発のバスに間に合わせるため、スタッフ2台の車で参加者を大久保駅バス停まで送り届けることにした。みんな嬉しそうに自分たちのお土産を持ち帰り、楽しそうに笑顔で帰って行った親子の姿がとても印象深い。